手話動画:近年増加傾向にある肺NTM症とは?(2025年2月10日)
手話動画
テキストデータ
近年、日本で肺NTM症が増加しているそうです。原因菌であるNTM菌は、結核菌と同じ抗酸菌のグループに属している菌で、結核菌とらい菌を除いた抗酸菌のことです。180種類以上あり、特に日本の感染で約90%を占めているのがMAC菌です。そのため病院で診断されるときにMAC症と言われる場合があります。肺NTM症の症状は、結核のように長引く咳やたん、息切れ、倦怠感、体重減少などです。重症化すると喀血や呼吸不全による呼吸困難に陥り、命にかかわることもあります。ただし、結核のように人から人にはうつりません。NTM菌は自然の中の水や土、または台所、ふろ場などどこにでもあり、その菌を含んだ水しぶきや埃を吸うことが病因ではありますが、菌を吸い込んでも感染する人はごくわずかです。感染初期には無症状なことが多く、また長い時間をかけて進行するため気づきにくく、健診のレントゲン検査などがきっかけで偶然見つかる場合が多くあります。
診断される人の割合を見ると女性が多く、40歳以上で急増します。煙草を吸う吸わないに関わらず、健康でやせ形の中高年女性が多くかかっているということですが、なぜかは明確にわかっていません。
そのほか、肺の基礎疾患がある人や、免疫が低下している抗がん剤やステロイド剤を服薬中の人、結核の既往歴がある人やリウマチの人などもこの病気にかかりやすいことが分かっています。
治療には時間が長くかかります。診断を受けたら無症状でも呼吸器専門の医療機関を受診しましょう。