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手話動画:避難所について考えよう~スフィア基準の基本のき~ (2022年3月7日)

手話動画

テキストデータ

 避難所で必要な水の量や個人スペースの広さ、トイレの男女比は1:3など数の基準について聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。これはスフィア基準が元になっています。
 東日本大震災の避難所は、汚いトイレやプライバシーのない劣悪な環境が問題になりました。そしてマスコミが取り上げたことで、人道支援での最低基準が書かれているスフィア基準に注目が集まりました。

 1990年代、紛争から避難した人々のために人道支援が行われたのですが、支援後も死者が増え続けました。調査した結果、人道支援は質を向上させる必要があり、被災者への説明が欠かせないということがわかったのです。そこで策定されたのがスフィア基準です。
 スフィア基準で大切なのは「被災者には尊厳ある生活を営む権利があり、支援を受ける権利がある」「災害の苦痛を軽減するために、実行可能なあらゆる手段が尽くされるべき」という基本理念であり、①尊厳ある生活の権利、②人道支援を受ける権利、③保護と安全の権利、という3つの権利が守られることなのです。

 「避難所だから仕方がない」「ではなく、避難所でも質の向上が大切で、そこで暮らす被災者には権利があると説いています。被災者がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活ができているか、ということでしょう。提示されている数字はあくまで基準であり、大切なのは地域の対応力を高め、被災者との対話でニーズを見極めつつ、適切な説明や支援ができているか検証することなのです。